平和の大切さを若い世代にどう伝えていくか、本学の学生たちが新しい視点で取り組んでいます。2024年度「キャリアデザイン入門Ⅰ」で「人権賞」を受賞した「大梨」チーム(商学部2年次生小山 智行さん・経営学部2年次生藤本 理伯さんほか4名)は、吹田市から提示された「平和について若い世代にもっと興味関心を持ってもらい、吹田市立平和祈念資料館の集客に繋げていくにはどうすればいいか」という課題に取り組み、その提案が実際に市の施策として採用されました。
課題解決発表会の様子
平和祈念資料館に若者を呼び込め!学生たちの挑戦
吹田市立平和祈念資料館は戦争の記憶を伝える大切な場所ですが、若い人がなかなか来てくれないという課題を抱えていました。「大梨」チームはまず、資料館の来館者の利用実態を調べ、情報発信の方法と展示の見せ方を工夫すれば、もっと良くなりそうだと考えました。
こうした状況を踏まえ、学生たちは「同世代に平和の大切さを届けるには何が必要か」を議論しました。議論の中から生まれた提案は、スマートフォンで閲覧しやすいウェブサイトへの刷新、オリジナルロゴの制作、SNS発信の提案、VRによる戦後復興体験やメッセージ投稿コーナーといった体験型展示の導入、オンライン参加も可能な平和クイズやクロスワードの常設など、さまざまな仕掛けを組み合わせたものです。
課題解決発表会での提案内容(一部抜粋)
動き出した吹田市立平和祈念資料館プロジェクト
2025年4月、吹田市役所ホームページの「吹田市立平和祈念資料館」ページが、「大梨」チームの提案を反映しリニューアルされました。ロゴを配置し、レイアウトを整理することにより、メニューがわかりやすくなりました。また、「平和クイズ」、「平和クロスワード」の設置など、若い世代にも親しみやすいデザインへと生まれ変わりました。
しかし、プロジェクトはここで終わりません。現在も小山さんと藤本さんは、定期的に人権政策室の職員と話し合いを重ね、平和祈念資料館のさらなる活性化に取り組んでいます。現在は、「平和クイズ」の月次更新と平和祈念資料館の新たな企画の検討を行っています。
ホームページへの学生企画ロゴの設置
平和クイズ「平和の記憶izm-吹田から広がる平和の輪」
クロスワードパズル「Wordで紡ぐ平和のpeace」
まとめ
吹田市市民部人権政策室からは「学生の新しい視点が、様々な改善に繋がりました。心から感謝しています」と、非常に高い評価をいただきました。
この授業を通じて、学生たちは課題発見、問題解決の方法を学びながら、実際に吹田市の課題解決に貢献することができました。「大梨」チームの挑戦は、これからも続きます。
吹田市市民部人権政策室との打ち合わせの様子
【参考リンク】
●吹田市立平和祈念資料館(吹田市ホームページ)
●2024年度吹田市との「官学連携PBL」課題解決発表会が開催されました(大阪学院大学ホームページ)
●2024年度 吹田市との官学連携PBL「人権賞」、「消防賞」の紹介(大阪学院大学ホームページ「OGUPBL」)