吹田市からの課題提示(上:選挙管理委員会事務局、下:地域教育部健都ライブラリー)
2023年度後期開講の1年次生対象科目「キャリアデザイン入門Ⅰ」において、吹田市からの行政課題に対して、解決に向けてグループで取り組むPBL(Project-Based Learning)をスタートした。この連携授業は吹田市都市魅力部シティプロモーション推進室と教育開発支援センターが連携し、学生の主体的な学修活動であるアクティブ・ラーニングとして実施されたものである。課題提示イベントでは、「選挙管理委員会事務局」から、「若年層を対象とした投票率の向上施策について」との課題、「地域教育部 健都ライブラリー」から、「中学生や高校生などの若い世代の図書館来館者数を増やすにはどのようにしたらいいか」との課題が提示された〔2023年11月1日(水)〕。
橋本 朗子先生
この2つの行政課題に対して、取り組んだ1年次生のグループから6つの課題解決案が発表された。この課題解決発表会には、吹田市都市魅力部シティプロモーション推進室、選挙管理委員会事務局、健都ライブラリーに所属する多数の職員にお越しいただいた。このイベントに参加した全員で投票した結果、選挙管理委員会事務局の「選挙賞」にチーム「ランナーズ」が、地域教育部健都ライブラリーの「ライブラリー賞」にチーム「和食さと」が選ばれ、白川教育開発支援センター所長から記念品が贈られた。〔2023年12月13日(水)〕。
ここでは、「選挙賞」を受賞した「ランナーズ」および「ライブラリー賞」に輝いた「和食さと」の発表を紹介する。
「ランナーズ」の発表の様子
「ランナーズ」チームは、「若年層の政治への理解」と題し発表した。まず、若年層の投票率を上げるために若年層の政治への理解とアプローチ、その重要性について解説した。選挙への関心度や貢献度を調査し、若年層は「お金がない」、「選挙の知識がない」、「意味がない」と思っているなどの課題を発見した。解決方法として、政治の不参加による未来への影響を解説することを提案した。具体的に高齢者向きの政策などによる少子高齢化、環境問題、社会福祉問題などが懸念される。次に未来への影響を理解した若年層に対して選挙先の選び方、選挙情報の拡散方法、模擬選挙体験などを紹介し、政治に参加するためのサポートが必要であることを述べた。
「和食さと」の発表の様子
「和食さと」チームは、「YAの健都ライブラリー利用率向上に向けて」と題し、中高生の健都ライブラリーの利用率向上の解決案を提案した。まず、健都ライブラリーのコンセプト、施設について紹介した。課題解決のための問題点として予算が少ないことを考慮し、既存の設備を利用することを前提とする。解決案として一つ目は受験生のための場所提供を行うこと。企画中は24時間利用を可能として中高生が利用しやすいようにする。また、適度な運動を促すポスターを掲示し健都ライブラリーを利用してもらう。二つ目はスランプラリーを実施すること。図書館の利用回数でスタンプを押し、貯まればカフェの割引などの特典をつけることを提案した。ライブラリーにある既存の施設を活用し継続性のある企画で来館者を増やすべきだと締めくくった。
「キャリアデザイン入門Ⅰ」官学連携PBLクラスでは、この課題解決発表会を終点ではなく、通過点として捉え、1月の講義では今後の学修に活かすための振り返りを行い、事後学修に取り組む。