本学では、「大阪学院大学と吹田市との連携協力に関する基本協定書」に基づき、2016年度より、教育開発支援センターが企画・運営する共通科目の1年次生対象科目である「キャリアデザイン入門Ⅰ」において、吹田市からの行政課題に対して、解決に向けてグループで取り組むPBL(Project-Based Learning)を行っています。この連携授業は吹田市都市魅力部シティプロモーション推進室と本学の教育開発支援センターが連携し、学生の主体的な学修活動であるアクティブ・ラーニングとして実施されています。
2021年度「キャリアデザイン入門Ⅰ」での下水道部経営室および水再生室様からの課題「みんなに知ってもらえる広報について ~下水道バージョン~」に取り組んだ学生が、授業終了後「OGUプレゼンサークル」として形を変えながら、社会連携室の見守りのもと、継続して下水道部経営室および水再生室様との課題解決型プロジェクト「SNSを活用した若年層への下水道広報」に取り組みました。このことについて、メイシアター小ホールにおいて「大阪学院大×吹田市「下水道プロジェクト」発表会」が行われ、吹田市長をはじめとする吹田市役所の職員の皆様、大阪学院大学関係者、その他約90名の出席がありました〔2023年2月7日(火)〕。
2021年度「キャリアデザイン入門Ⅰ」における吹田市下水道部からの課題提示の様子
課題解決発表会の様子
発表会の様子
経営学部2年次生の本岡君は、「キャリアデザイン入門Ⅰ」終了後も、下水道部の課題に引き続き取り組みたいと考えました。そこで、吹田市と本学の社会連携室で調整した結果、本岡君を代表とする大学認定サークル「OGUプレゼンサークル」が結成され、吹田市下水道部水再生室と連携しながら、2022年4月~2023年3月の1年間、プロジェクトに取り組むことが決定し、活動が始まりました。
白川所長の挨拶
「下水道プロジェクト発表会」では、「OGUプレゼンサークル」の錦織君の司会進行により開会し、白川教育開発支援センター所長による挨拶のあと、本岡君がパワーポイントを使って「下水道プロジェクト」について20分間の発表を行いました。活発な質疑応答の後、後藤吹田市長、宮原大学事務長から活動への労いと温かい講評の言葉がかけられ、大きな拍手と共に、発表会は終了しました。
ここでは発表や講評をご紹介します。
【プレゼンテーション発表内容】
「キャリアデザイン入門Ⅰ」の履修を通じ、吹田市下水道部の抱える行政課題に触れ、授業終了後も課題解決に関わるため「OGUプレゼンサークル」を立ち上げたこと、「下水道プロジェクト」での具体的な活動内容。約600件のアンケート結果を基に、「SNSを活用した若年層への下水道広報」として動画制作に取り掛かった経緯、SNS別の視聴回数、動画作成における反省点などが説明された。
最後に、世界に日本の下水道技術を伝えることが本岡君の夢であると語られ、発表が終わった。
後藤吹田市長による講評
【後藤吹田市長からの講評】
「認知度の低い下水道事業にどうスポットをあてるか」という観点から、本気度に溢れた発表をしていただきました。日本はほぼ都市整備が終わっているので、下水道もあって当たり前。下水道の重要性を十分理解しているからこそ、日本のインフラの重要性を伝えたい気持ちがよく伝わり、聴き応えがありました。また、プレゼンテーションでは世界の下水道の話から始まり、世界を知った上で日本を知るという視点は素晴らしく、声も通って聞きやすかったです。動画制作の話もありましたが、私はメッセージ動画を撮影する際、ノーカットで台本なし、自然体でカメラの前に立つことを心掛けています。今後の発表のヒントとしてお伝えしておきます。
今日、こうしてプレゼンテーションしたことで、皆さんはとても勉強になったと思います。「サービスラーニング」と言って、吹田市役所でも高校生や中学生に授業をする時は授業時間の何倍もかけて準備します。実際の取り組みにおいて、とても教育効果があると聞いていますが、今、まさにそれを実感しています。
最後に、皆さんのこの達成感、成功体験が次のチャレンジに向かわせてくれると思います。ここで失敗したって大丈夫。遠慮していたらいつまでたってもそのままです。これは吹田市役所でも非常に大切にしていることです。これからもチャンスに自ら手を挙げて、チャレンジし続けてください。大いに期待しています。今後も吹田市と大阪学院大学が連携して、一緒に進めていければと思います。今日は大きな勇気をいただきました。ありがとうございました。
宮原大学事務長による講評
【宮原大学事務長からの講評】
とても素晴らしい発表でした。発表をお伺いしていますと、吹田市下水道部経営室様および水再生室様から課題をいただき、主体的に解決策を考え、その過程で深く学ぶことができたことが伺えました。キャンパスの枠を超えて地域の中で教育いただくことや、学んだことをきちんと発表することに大きな意味があることを強く感じました。加えて、今回のPBLを終えた後の現在の夢が「世界に日本の下水道技術を伝える」ことと伺いました。冒頭に海外の下水道事情に触れられ、最後に日本の高度な技術を世界に伝えていきたいというスピーチの構成に大変感心しました。また、同時に、地域の課題に触れて世界に視点を移していくことができた、というお話の内容から、グローカル教育への取り組みに必要なことは何かを教えていただいたように感じています。さらに、発表の内容をよく聞いていると、基準やルールをきちんと理解し、他国の状況なども把握した上で、現状の取り組みを学び、さらには今後どうするべきかを模索し明示している、大変バランスのとれた発表であったと感じています。さらに、堂々として情熱的な発表態度に加え、論理的で冷静なその内容は聞いていた我々の心と頭に伝わるものであったと感じています。このように素晴らしい発表ができた今日のことは、今後、学生生活の大切な1ページにもなることと思います。また、そう思うと、すばらしい教育の現場に立ち会えたことがとても嬉しいです。大学職員として多くの学びがあり、今後の教育方法や地域連携について深く考えることができました。とても素晴らしい発表を聞かせていただき、ありがとうございました。
また、このように素晴らしい機会をいただきましたことに、後藤市長をはじめ吹田市役所の皆様に心から御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
最後に、「下水道プロジェクト」を主導した皆さんのインタビューを紹介します。
(①一押しの動画とポイントを教えてください。②「下水道プロジェクト」を終えて一言お願いします。)
参考リンク
大阪学院大学×吹田市「下水道プロジェクト」が始動!(吹田市ホームページ)
https://www.city.suita.osaka.jp/kurashi/1018541/1018542/1023342.html
大阪学院大学×吹田市 下水道プロジェクト(Tik Tok)
https://www.tiktok.com/@userhqhdqw7eb0?_t=8WDcPX5gMZG&_r=1
大阪学院大学×吹田市 下水道プロジェクト(YouTube)
https://www.youtube.com/channel/UCFfQICXivt1os5V9npHra4Q
2021年度「官学連携PBL」の報告(大阪学院大学ホームページ)
https://www.ogu.ac.jp/pbl/project/20211217/
本学は、今後も、社会連携室を窓口として、「吹田市と大阪学院大学との連携協力に関する基本協定書」に基づく連携協力に積極的に取り組むとともに、「学問と未来志向の産学連携や地域志向教育のPBL」を通して、未来を切り開く人材の育成を推進します。