課題解決発表会の様子①
2023年度前期開講の「キャリアデザインⅢ」産学連携PBLクラスでは、2023年5月8日(月)に、シンエーフーヅ株式会社代表取締役の宮内賢二氏から、「ポストコロナ時代のフードデリバリーサービス~今後のビジネス戦略」という課題(①)、株式会社たけでん(以下たけでん)常勤監査役の那須耕三氏からは、「たけでんの事業内容から経営戦略を考える」という課題(②)の2つの課題提示を受けた。今年度は、7名の3年次生がそれぞれ2つの課題に取り組んだので、その様子をダイジェストにて報告する。〔2023年6月19日(月)〕。
経営学部の片山さんは、①についてフードデリバリーサービスのメリットとデメリットを考察し、生き残っていくためには配達時間を短くしたり、品質を確保したりすることが不可欠であるとの考えを発表し、②については、たけでんはSDGsを意識したビジネスを展開することにより長期的成功と社会貢献の両方を達成できるという意見を発表した。
経営学部の大西さんは、①について高齢者の需要を取り込み、飲食店の配達だけでなくスーパーなどの食材配達に手を広げるという案を発表し、②については環境に優しい資材を使った住宅をプロデュースしてたけでんの商品をアピールするという提案を発表した。
経営学部の錦織さんは、①ではフードデリバリーのブルーオーシャンは主婦層だという見立てから、受注アプリを主婦向けに細かいオーダーができるように改良してニッチな需要をつかむという提案を、②において高齢社会でジムや医療などの設備の整った終の棲家を求める人が増えることを見越した出資型老人ホームというたけでんの新たなビジネス展開の提案を発表した。
シンエーフーヅ株式会社 宮内社長
経営学部の本岡さんは、①について買い物に行く時間があまりない単身世帯へのネットオーダー式生活用品・食品の定期配達サービスおよび、コストを抑えるため、配達は空いた時間に近所の人が引き受ける仕組みを提案し、②についてたけでんの商社としてのノウハウを活かし、「水」および「浄水、下水、淡水備蓄設備・機械」の分野に進出することを提案した。
課題解決発表会の様子②
商学部の工藤さんは、①においてフードデリバリーを必要とする地方の高齢者をターゲットとし、配達バッグなどに大きなロゴをあしらって町で覚えてもらう広告方法が有効であるという考えを発表し、②では都市部で需要が高まっている店舗やオフィスの防犯設備分野での新規事業を提案した。
商学部の大原さんは、①について高齢者の取り込みのために電話サポートを充実させる、配達員不足の地方の配達にはタクシーに協力を要請する、使い捨て容器にバイオプラスチックを使うなど、フードデリバリーサービスにおける改善点を数多く指摘し、②ではたけでんのエネルギー商材、ウェルネス商材、BCP、高齢者向け商材は幅広い市場で売ることができるのがメリットであるという考えを発表した。
課題解決発表会の様子③
国際学部の加藤さんは、①においてフードデリバリーの送料に月額2000円などのサブスクリプションを導入して送料を気にせず注文してもらうというアイデア、そして②では日本は少子化問題を抱えているが、世界規模でみれば人口は増加中であり、たけでんは海外部門を強化し、海外市場に本格的に参入するべきであるという考えを発表した。
7人の発表それぞれに対し、課題解決発表会に出席したシンエーフーヅ株式会社宮内社長および株式会社たけでんの那須様、出原様をはじめとする3名のゲストスピーカーから、丁寧な講評とフィードバックをいただいた。社会で通用するアイデアとは何か、社会で通用するアイデアに練り上げるためにどうすればよいか、良い考えでも実現が難しい理由など、実例を挙げて学生にもわかりやすく説明いただいた。
発表のなかには世の中にすでにあるサービスや、実現性に乏しいと思われるアイデアもあったが、学生ならではの新しい発想や予想もしないような切り口がたくさん発表され、大変活気のある発表会となった。
株式会社たけでん 那須様
株式会社たけでん 出原様