吹田市からの課題提示(上:総務部危機管理室、下:福祉部障がい福祉室)
2022年度後期開講の1年次生対象科目「キャリアデザイン入門Ⅰ」において、吹田市からの行政課題に対して、解決に向けてグループで取り組むPBL(Project-Based Learning)をスタートした。この連携授業は吹田市都市魅力部シティプロモーション推進室と教育開発支援センターが連携し、学生の主体的な学修活動であるアクティブ・ラーニングとして実施されたものである。課題提示イベントでは、「総務部危機管理室」、「福祉部障がい福祉室」の2つの部署の職員から、「若年層や女性の自主防災活動への参加について」、「障がい福祉施設の授産製品について若年層に興味を持ってもらい、もっと売れるようにするにはどうすればよいか?」との課題が提示された〔2022年11月9日(水)〕。
中 則夫先生
この2つの行政課題に対して、取り組んだ1年次生のグループから6つの課題解決案が発表された。この課題解決発表会には、吹田市との連携の窓口である、都市魅力部シティプロモーション推進室をはじめ、多数の職員にお越しいただいた。このイベントに参加した全員で投票した結果、総務部危機管理室の「自主防災賞」にチーム「パナマ」が、福祉部障がい福祉室の「授産製品賞」にチーム「半分派手髪」が選ばれ、白川教育開発支援センター所長から記念品が贈られた。〔2022年12月14日(水)〕。
「パナマ」の発表の様子
ここでは、「自主防災賞」を受賞した「パナマ」および「授産製品賞」に輝いた「半分派手髪」の発表を紹介する。
「パナマ」チームは、「キャリアデザイン入門Ⅰ」のクラス内でアンケートを実施したところ、「自主防災組織」に入りたいと答えた学生は30人中3人にとどまった。そこで、まず若者が知識を持つべきであると考えた。ではどのような方法で知識を付けるのか。「パナマ」チームは3つの提案を行った。①講演会を吹田市で行い、参加率を上げるため、有名人を呼ぶ事、ユーチューバーや吹田出身の芸能人などはどうか。次に②吹田市内の大学において、「自主防災組織」を講義に取り入れてもらうこと。最後に③地震が体験できる施設で体験すること、つまり話を聞くだけでなく体験することの重要性を提案した。若者は自衛隊などに迷惑をかけないよう、自分たちのことは自分で守る、自衛隊には高齢者の対応に時間を割いてもらいたい、そのような視点で若者の参加率向上について考えたとのことである。
「半分派手髪」の発表の様子
「半分派手髪」チームは、授産製品の問題点について「若年層に知ってもらうためには?」、「もっと売れるためには?」の2つに焦点を当てて考察した。インスタグラムを使って約50名に対しアンケートを行ったところ、授産製品を知らない人は全体の8割を占めた。また、授業で授産製品が取り上げられたことがある人は1割強にとどまった。次に、授産製品販売施設である「はぴすま」の現地調査を行った報告として、グーグルマップに情報が未掲載であること、お店の外から見た時、授産製品が取り扱われていることや授産製品を売りにしていることが分かりにくかったことを挙げた。改善策として、①ネット情報の充実、②看板などの掲示物の充実を挙げ、案内を駅に出すことや、SNSやホームページの充実をはかることを提案した。
「キャリアデザイン入門Ⅰ」官学連携PBLクラスでは、課題解決発表会を通過点として捉え、1月の講義において発表会の振り返りを行い、それぞれのチームで取り組んだ課題をさらに掘り下げる事後学修に取り組む。