2021年度前期開講の「キャリアデザイン入門Ⅱ」の産学連携PBLクラスでは、外部講師による課題提示イベントは対面方式ではなく、Zoomを用いた同時双方向型授業を実施した。今回の課題提示は、ジャーナリストの畑山氏および公認会計士・税理士の杉本氏の両名であった。
畑山氏からは「若者へのテレビの関心を戻すには?」、杉本氏からは「自分で企業を選んで、コロナ禍の企業努力について調べてみよう!」の課題が提示された。学生達はこれらの課題について解決に向けて取り組んだ。
「若者へのテレビの関心を戻すには」についての発表では、世代別テレビ視聴時間のグラフを示しながら、若者が何故テレビを見ないのかについて考察を行った。その理由として、「テレビの放送時間に自分予定が合わない」、「YouTube や動画配信サービスの台頭したこと」、「尺が長くて見る気が起きない」、「コマーシャルが多い」などを挙げた。その上で、2021年3月調査の「好きなテレビ番組ランキング」を元に、どのような番組が、人気があるのかを考察した。「攻めた内容を扱う番組」、「編集やナレーションが番組独自のもの」などが人気のようである。そして、若者は配信サービスの利用度が高いことを上げ、1つの動画を情報毎に短く切って配信すること、SNSで動画の宣伝をすることなどが解決につながるのではないかと締めくくった。
学生の発表の様子(企業努力)
「コロナ禍の企業努力について調べてみよう」においては、「ソニーグループ株式会社」についての発表であった。四半期報告書 (2020年度 第3四半期)、2021年度のソニーグループ株式会社における経営方針、セグメント別業績について調査を行い、売上高が伸びているところや下がっているところの考察を述べた。「モバイル・ソーシャル拡大でユーザー10億人目指す」と明言し、過去3年で定着させてきた「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」という「ソニーの存在意義」を軸に、長期視点での経営方針について、3つのキーワードを元に成長投資を継続していくことについて学んだ発表があった。
学生の発表スライドから
また、「若者へのテレビの関心を戻すには」に対する学生の発表では、若者がテレビを見ない理由について、「テレビの放送時間と自分の予定が合わない」、「尺が長くて見る気が起きない」等を上げた。 学生の発表を聞いた畑山氏からは、国の許認可事業である放送と自由なネット配信の決定的な違いを理解して欲しいとのアドバイスがあった。また、プレゼンテーションにおいては、結論を補足する資料を揃えることは大切であること、その業界がどの方向に伸びるか、どのように困っているかを考えることは今後の就職活動の際にも重要なことであると講評いただいた。また、杉本氏からは企業の経営理念や企業理念に沿った、有価証券報告書の見方のポイントについてのアドバイスがあった。 対面での授業やイベントができないPBLクラスであったが、松本先生のご指導もあり、若者のテレビ離れの現状を知ることや、コロナ禍における日本の企業の努力について知ることができた発表会であった。