
バスケを楽しむために積み重ねた時間。
昨年、沖縄で開催された「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」では、日本代表チームのメンバーに選出されるなど「日本を代表する期待のオールラウンダー」として注目を集める吉井裕鷹選手。 大阪学院大学での4年間は、コロナ禍でのキャンパスライフではあったものの、楽しかった記憶しかないくらい充実した時間と環境だったと言います。 「身体を強くすればバスケが楽しくなるということは分かっていたので、とにかくハードにトレーニングをこなしていました。遊ぶこともできたと思いますが、突き詰めて練習やトレーニングに充てることもできる。 自由時間が多かったので、そんな時間を自分のため、バスケのために有効活用できた4年間だったと思います」。
1年次の春から主力に名を連ね、優秀選手賞や新人王受賞などチームの最前線で活躍。 2年次で特別指定選手として大阪エヴェッサへ、3年次で現在所属するアルバルク東京へ練習生として加入するなど、学外での経験も多く積んだ学生時代。 そんな経験をチームにも還元していく中で、バスケットボール部の行広伸太郎監督とは衝突することもあったそうです。 「練習中の良くない態度を怒られたり、監督への要望を率先して伝えに行ったりもしました。試合に出られていない選手が監督に対して意見を言うのはなかなか難しいですし、チーム全体としても良い雰囲気にはならないので。 メインで試合に出ている自分ができることは何だろう、ということはプレーだけでなく常に考えていたんだと思いますね」。 そんな行広監督とは、今では大阪でお寿司をつまみながら語り合う仲なのだそうです。
心技体、成長し証明し続ける。
「ハードにバスケを続けられること」。吉井選手は自分の強みをこのように表現しました。 「人生をかけてやっていますし、今はお金をもらってプレーさせてもらっている環境。お金をもらうということは、それだけ責任もついてくるということで。 自分が何を還元できるのかということは常に考えていますし、そのためには日々のトレーニングを怠らないことが大事だと思っています」。 アルバルク東京の広報・川瀬さんからも、「誰よりも早く体育館に来ていますね。練習熱心な姿に、年齢問わずチーム全体が引っ張られているんです」と、吉井選手のストイックさについてコメントをもらっている最中、 カメラマンのすきをついてピースをした吉井選手。お茶目な一面も見せてくれました。
今後の目標は、「まずは夏に開催されるパリ五輪へ出場すること。長期スパンの目標は、とにかくトップの環境でバスケットを続けること」と語ってくれました。 そのためにこれからは「考え方を安定させること」を鍛えていきたいと言います。「プロの世界は︑身体とメンタルの強さが一番大事だと思っていて。でもメンタルに関しては、〝強い・弱い〞ではないんじゃないかと最近は思っているんです。 例えば指摘を受けた時に、良くなかった部分ばかりにとらわれず、自分にとって何が成長につながるかを柔軟に考えて、情報の取捨選択をする。フラットに自分自身と向き合うことをもっと安定してできるようになれば、 それがトップで活躍し続けることにつながるのかなと思っています」。
心技体、まだまだ成長し続ける吉井選手。主戦場でもあるBリーグと、この夏はパリ五輪の舞台での活躍を、OGU一同応援しています。