Vol.2 永山 泉水さん

Vol.02【女将(旅館経営)】永山 泉水さん 2000.3 国際学部卒業「かっこいい旅館経営者を目指して~女将泉水の奮戦記~」

岡山県湯郷温泉、地区随一の規模を誇る広大な庭園と露天風呂、四季折々の風情を楽しむことができる本格和風旅館「ゆのごう美春閣」では、本学卒業生の永山泉水さん(平成12年 国際学部卒業)が女将として、日々活躍していらっしゃいます。
永山さんは、本学の短期大学を卒業後、大学へ編入。卒業後、兵庫県内のホテルに就職し、持ち前の笑顔と積極性で、様々な部署を経験。25歳の若さで、館内総責任者にあたる、予約料飲部課長代理にも就かれた、バリバリのホテルウーマンでした。その後、縁あって現在のご主人とご結婚され、「ゆのごう美春閣」の女将へと転身されました。
現在は、女将として忙しい日々を送りながら、ブログによる情報発信や愛車を駆使して全国を飛び回るなど、独自のアイデアと行動力で、旅館だけではなく、湯郷温泉全体を盛り上げるなど、ご活躍されています。
今回はそんな永山さんに、大学生活の思い出と現在のお仕事について、語っていただきました。

文武両道に大忙しの大学生活

印象に残っている授業は、「ホテル事業論」・「秘書検定」・「航空業務」など。
中でも「ホテル事業論」の授業では、現役のホテル支配人やトレーナーの先生方の実務経験に基づく講義が、私の夢や希望を広げてくれました。当時の授業で使用していたノートには、従業員側の立場でも、上司としての立場でも、双方で参考になることがたくさん書き留めてあり、今でも大切に保管して、活用しています。
また、課外活動では、体育会剣道部に4年間所属していました。まさに武士世界のように厳しく練習!練習!の日々でした。ただ、厳しい世界であればあるほど絆は深まるもの。今では同級生と姉妹のように仲が良いですし、友人の結婚式などで会うと、先輩・後輩とも昔の厳しさが信じられないくらいに親しい間柄になっています。
授業に部活動にと多忙なうえ、自宅が遠かった私は、家を出るのが早朝で帰宅するのは午前0時を回ることもありました。通学時間が長い私にとって、電車の中で本を読むことは必須で、週に2、3度は本を借りに図書館へもよく通いました。
このように忙しい大学生活を送っていましたが、そんな一瞬一瞬を大切にし、時間を有意義に使うという姿勢が、今の生活に活かされています。

Vol.2 永山 泉水さん

女将として、経営者としての心がけ

現在、職場での役職名は「女将」ですが、実は、皆さんがご想像される旅館の女将的な仕事はあまり行っていません。主な業務は総務関連。また、経営者として必要な事を勉強中です。大型の団体様や特定のお客様がいらっしゃる時には着物でお出迎えをし、時にはマイクを持って宴会場でご挨拶をすることもあります。「女将の会」などで観光キャンペーンがあると、和服で各地へ出かけることも多々あります。
現在、「ゆのごう美春閣」の従業員数は約130名。従業員は十人十色。女将としてお客様に接する際、気を遣うのは当たり前ですが、経営者として従業員に接する際も、どうしたら自分の気持ちが相手に伝わるかを一番に考えています。例え皆に同じ言葉で伝えたとしても、プラスに取る人もいればマイナスに取る人もいます。根っからのプラス思考で、また経営が厳しかった以前の会社で鍛えられたという背景がある私と、同じ考え方をする人ばかりとは限りません。相手が何を私に伝えたいのか、私の言動をどう取るか、話す前に少し考えてから、軽はずみな言動だけは避けて話すようにしています。
また、できるだけ多くの人に「おはよう」「お疲れ様」「元気?」「風邪ひかないでね」と、何気ない言葉をかけるようにしています。そして、仕事場でどれだけ納得のいかない事があったとしても、いつも笑顔でいるように心がけています。

今後の夢・メッセージ

自分の学生時代の事も考えると、「ホテルマン」に憧れる若者って、本当にたくさんいますよね?その反面、「旅館」に憧れて就職する人はほとんど無いに等しい状態です。そこで、私は「旅館」という産業に若者達が夢を持って就職できるように変えていきたいと思っています。旅館の女将や経営者って、ホテルの総支配人のように、すべてのサービスをプロデュースすることができる、大変だけど魅力的な仕事。かつて私も、ホテルマンを見て「カッコイイ!」と思っていましたが、今度は私が旅館の経営者として、若者達にカッコイイと思われるように努力したいと思っています。今後の旅館業界に注目していてください!と、大きな事を言ってしまいましたが、まずは自分の旅館から変えていかないといけませんね(笑)。
私は人との出会いは、偶然ではないと思っています。人は誰も一人では生きていけません。お世話になった人を大切に、今 目の前にいる人を大切に、学生時代からそう思い続けてほしい。今のこの瞬間を大切にしてほしいと思います。

学生の皆さん、永山さんのように授業、クラブ・サークル活動、友人との語らい、図書館での読書など一瞬一瞬と、人との出会いを大切に、充実した学生生活をお送り下さい。

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