Vol.27 松岡 敏行さん

Vol.27【税理士】松岡敏行さん 2006.3 大学院 経済学研究科 修士課程修了 誇れるものが ひとつあればいい。

「税理士は夢のある職業。世の中にあるすべての仕事に関わるので、いろいろな職種の人と出会えます」と晴れやかな表情で話すのは、父から受け継いだ税理士事務所の代表を務める松岡敏行さん。先代からの地盤を固めつつ、売り上げも顧問先数も目覚ましい勢いで成長させていますが、もともとは漫画家を夢見ていました。「絵を描くのが好きだったんです。でも、〝漫画家になりたい〞と言いつつ、積極的に動いてはいなかった。若い頃は、そんな中途半端な自分にイライラしていました」と振り返ります。
この世界に進むことを決意したのは、なにげなく口にした「税理士になる」という言葉に泣いて喜ぶ父の姿を見て。それからは、「起きている間はもちろん、夢の中でも机に向かっていました」と話すほど勉学に猛進。税理士試験では、難しい誇れるものが ひとつあればいい。とされる相続税をあえて選択しました。「ひとつでいいから、自分が堂々と胸を張れるものを渇望していたんですよ、ずっと。鬱屈した思いが、相続に強い税理士をめざすためのエネルギーに変わりました」。
税理士試験合格後も、それに甘んじないのが松岡さん。「全国で7万人もいる税理士の中から選んでもらうには、人と違うものがないとダメだと思ったんです」。独立して事務所を開設したのも、相続税についての解説漫画を出版したのも、自分だけの力でどこまでできるのかを問いたかったから。「自分はコレができるということを探し当てるのは難しい。でも、見つかれば、人間強いと思います」。その表情は、人生のターニングポイントでもがきながらも、自分の道を突き進む自信に満ちていました。

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