オランダ~フォンティス応用科学大学(北原 康太郎)
国際学部3年次生 北原 康太郎
大阪学院大学国際学部国際教養学科3年次生の北原 康太郎です。
『Time flies so fast.』この言葉は、留学生が留学中に口にするあるあるの言葉なのではないだろうか。私のオランダでの留学は、約3週間後には終わってしまう。本当にオランダで過ごした5か月間は早かった。過去を振り返る時間や将来について考える時間すらもなかった。いや、考える時間を作れなかったといった方が正しいかもしれない。目の前の事で精一杯だったからだ。ただひたすらに次から次へと波のように押し寄せてくる問題と闘っていた。そんな私のオランダでの留学を、勉強、オランダでの生活、旅行の三つに分けて書いていこうと思う。
勉強
交換留学に来ているのだから勉強が第一だ。とても課題が多くて毎日課題に追われ寝る暇もなかった。特に期末試験の3,000字の論文は、頭が禿げそうなほど大変だった。。。と言ってみたかった。しかし現実は、そこまで勉強面で追われるほど辛くはなかった。課題も根を上げるほど出てこなかった。勉強面は、確実に自分に甘えていた。すでにオランダ語の科目を落としてしまった。そんな成果の出なかった自分の恥とも言えるトピックをここに書くべきではないかもしれない。もちろん私にも羞恥心はある。単位を落とした事をこの公の場で公表することはとてつもなく恥ずかしい。さらに、もしかしたら国際センターのスタッフの方々にとんでもない罵声を浴びせられるかもしれない。だが、そんなリスクを背負いながらも私はここに書く事を決めた。なぜならば、これが私の留学だからだ。しかし、『留学先で起こる事は全てが勉強だ。』と聞いたことがある。もしかしたら勉強しなかったことが勉強だったのかもしれないという風にちょっと前向きに考えてもいる。この勉強しなかった経験を通して、21歳にしてようやく勉強する意味を少しずつ理解し始めている。私が中学生の頃、学校の中間試験や期末試験が近づくにつれてよく母親に『勉強しなさい!』と言われていた。その時は、なぜ勉強しなければいけないのか全く分からなかった。そして、結局、反抗するように勉強しなかった。でも、今の私は勉強したいと思っている。勉強をするということは、下に書いている『旅行』の欄とも関わってくるのだが物事を違った角度から見られるようになったり、物事を深くまで考えられるようになったり、将来大人になった時にぶつかる複雑な問題を解決する糧になるのではないかと感じているからだ。勉強や本を読めば今よりも誰かの事を理解する事ができ、自分の意見を持つことができるようになるのではないだろうか。だから、勉強する事は大切なのではないだろうか。とにかく勉強をしなかった事で勉強する事ができた。幸いにも私は、もう1セメスターをドイツで過ごす予定なので、そこでは勉強をして学んでいこうと思う。
オランダでの生活
5か月間のオランダでの生活は、3か月間楽しくて、2か月間は本当に辛かった。最初の1か月間は、見るもの全てが新鮮でとても楽しかった。しかし、2か月目に入りバッグを盗まれ、パスポートや財布、ずっと書いてきた日記を失って、ケータイも急に画面が表示できなくなったり、日本から送ってもらった郵便物が紛失して届かなかったり、上手くいかないことがずっと続いて、目標も見失って、自分も見失った。もうこれ以上落ち込むことはないだろうってくらい落ち込んだ。本当にどうしていいのかわからなかった。そんな時に、ルームメイトや家族、国際センターのスタッフ、OGUから一緒に留学に来ている濱中さんには、本当に助けられた。本当に彼らがいなければ今の元気な私はいない。本当に感謝している。いつも人に助けられてばかりで、自分では何もすることができなくて、そんな自分が好きになれなくて、自分でなんとかできる力を身に付けたいと思って留学に来た。それでも、いまだにみんなに助けられてばかりだ。もしかしたらそれが私の生き方なのかもしれないと最近思ってきている。ただこれからは、助けられるだけじゃなくて、私も彼らが私にしてくれたように誰かを助けられるようなそんな人になりたい。そしてそれからの2か月は、とても楽しく時間が過ぎた。そんな楽しくも辛い日々を今振り返るととても悲しい気持ちになる。別れはとても辛い。しかし、まだ約3週間の時間があるのでお別れの事は考えないようにする。残された時間を大切に過ごしていこうと思う。
旅行
これまでに、ベルギー、オーストリア、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、イギリスの7か国を旅行した。たくさんの歴史や芸術、文化、食に触れ、たしかに日本にいたらできなかった経験をした。モナリザやピサの斜塔、ベルサイユ宮殿、エッフェル塔、誰もが一度は写真やテレビで見たことのあるものだと思う。実際に見て、確かにすごかった。とても美しかった。感動した。しかし、昔の人はなぜその建物を作ったのか、昔にはそこでなにがあったのかということが全く分からなかった。『わぁ、すげぇ~。』で終わってしまっていたのだ。なにかとてももったいない気がした。せっかくヨーロッパに来ていて、世界で有名な芸術を目にすることができているのに、『わぁ、すげぇ~。』で終わってしまう。台湾の女の子とイタリアのローマにあるフォロ・ロマーノの古代遺跡を見に行った時に、彼女はその遺跡を見て『悲しい。』と言った。私は、相変わらず『わぁ、すげ~。』と思った。しかし、なぜ彼女がその遺跡を見て悲しいと思ったのか不思議に思ったので彼女に聞いてみた。彼女は説明してくれたのだが、それでも腑に落ちなかったので『わからない。』と言ったら、『文学を知らない人と話したくない。本読んで。』と言われた。正直、ムカッとしたがこの経験が上記に書いた勉強の部分とも関わっているところだ。その時は、本を読むことでなぜ、悲しいという気持ちに結びつくのかわからなかった。しかし、彼女がさらに『勉強や本を読むことで色々な事を知って、知識を身に付けることもそうだけど、自分とは違った考え方に出会う事ができて考える力が付く。』と言った。たしかに彼女は、自分の意見をしっかり持って、色々な事を考える力があるように感じた。彼女自身がそれを体現しているように感じてとても説得力があった。『わぁ~、すげぇ~。』で終わる自分よりも、彼女のように物事を深くまで見られるようになり、自分の意見を持つことができれば、さらに私の人生が楽しくなるのではと思った。だから私は勉強しようと思ったのだ。
フォロロマーノの古代遺跡
最後に
このオランダ留学を、次のドイツ留学に活かして、次のセメスターも頑張りたい。長くなりましたが読んでくださり、そして、書く機会をくださりありがとうございました。