フランス~オルレアン大学(福居 春日)

外国語学部4年次生 福居 春日 こんにちは。フランスのオルレアン大学に留学している福居春日です。これがフランスからの最後のブログエントリーとなります。 フランスの5月の天気はとても不安定で、どんよりした曇天の日がいつまでも続くのかと思いきや、次の日にはけろっと快晴になったり、突然嵐のような大雨に見舞われたりすることもあります。フランスには台風がないので、雨自体は激しい通り雨程度で済むものの、寒暖の差や移り変わりの激しい天候を含め、5月は色々な意味でこの留学期間で一番不安定な時期だったと感じます。 Gare dOrleans (2) Gare d'Orléans オルレアン駅 さて、4月下旬に全ての授業が終了しました。思い出のたくさん詰まった学び舎になにか恩返しがしたく、私たち日本人留学生でオルレアン大学のゴミ拾いをしました。その際、特に目についたのが煙草の吸殻でした。階段や細い隙間、林の中や窓の下、さらに図書館前には吸い殻入れがあるにも関わらず、周辺には吸い殻が散乱していました。自然豊かな大学内には小さな野ウサギが林や茂みの中に生息しており、捨てられた煙草が動物や自然に害を及ぼすのは明白なのです。 そもそも煙草自体が完全に土に還ることは決してなく、可能な限り分解されるまでに何百年もの時間がかかります。その間にも雨で毒素が土に流れると土壌を汚染し続けます。また、人間が作った様々な物質が分解されるのに長い時間が掛ります。Bonbon(飴)の包み紙は2~5年、空き缶は200~400年、惣菜のトレイやお菓子の袋のプラスチックはなんと450年以上だそうです。これらはその間ずっと植物の成長を妨害し、生き物の住処を奪い続けるのです。人間は自然を保護することもできれば、破壊することもできます。 写真1 (2) オルレアン大学のキャンパス。自然のパノラマが展開するこの丘は学生たちの憩いの場。 写真2 野ウサギ フランスでの留学生活、またイギリス、ドイツ、オランダ、ベルギー、イタリアへの旅行を通して、世界には習慣や意識の違いがあることを実感しました。一方で世界中どこでもモラルに反することをする、もしくはされれば嫌な気分になります。世界には歴史的建造物を美しく保存しようとする傾向があります。だからこそ、それに伴って個人のモラルを身近な環境保護にも働きかけるべきだと感じます。 私はこれらの環境問題をはじめ、たくさんのことをオルレアン大学で学びました。授業も無事に終わり、友人たちが次々に帰国しているというのに、もうすぐフランスを離れるという実感はあまりありません。このままずっとフランスで暮らしていくような気さえします。今のこの気持ちはただの現実逃避かもしれませんが、日本でさらにフランス語を学び、いつかきっとフランスに帰って来ます!