フランス~オルレアン大学(福居 春日)

外国語学部3年次生 福居 春日 こんにちは。フランスのオルレアン大学に留学している福居 春日です。 全5回の投稿の今回は第2回目です。こちらに来て2ヶ月が経ち、これまでの勉強の成果を感じる瞬間が少しずつ増えてきました。フランスでできた友人たち、ボランティアに行った先の皆さん、そして空手道場の仲間たちのおかげで、私は一歩一歩ゆっくりと前に進んでいます。日本にいた頃の自分は人に頼るのが苦手でいつも気を張っていたけれど、フランスに来てたくさんの人に助けられ、今の自分は少しずつ素直になれている気がします。 先日、1週間の休暇があったので小旅行をしてきました。今回はフランスの北に位置するノルマンディー地方の町カン、そしてモン・サン・ミッシェルを紹介します。 まずは、カンです。 写真A 第2次世界大戦が終わったとき、このサン・ピエール教会の尖塔は吹き飛ばされ、屋根のない無残な姿だったそうです。しかし今では見事に修復され、白がまぶしい美しい姿でよみがえっています。黒くすすけた下部と修復された白い上部との層が時の流れを強調し、歴史を目で感じることができる印象的な建物です。この写真は教会の向かいにある城塞から撮影したものです。 写真B 写真C ノルマンディーは私がフランスに来たら必ず巡ろうと思っていた地方のひとつです。カンはノルマンディー公ウィリアム(仏名ギョーム)征服王の時代を今に伝える町なのです。大阪学院大学でイギリス史を学んで以来、私はどうしてもこの地を訪れたいと思っていました。1枚目の写真は征服王によって建てられた男子修道院です。現在は市役所として使われています。内部にはギョーム征服王の墓があり、荘厳な雰囲気で緊張しました。2枚目は征服王の王妃マチルダによる女子修道院です。こちらは地方議会場として使われています。 次に、日本人が大好きな世界遺産モン・サン・ミッシェルです。 写真D かつてカトリック教徒が命を懸けて巡礼したといわれる、孤島にそびえる修道院。そこには大勢の日本人観光客がいました。いたるところにある日本語表記のおかげで不自由を感じることはないので、訪れる日本人の満足度は高いと思います。ここノルマンディー地方は、かつて王家に献上していたほどの塩が取れる地なので、塩を使ったお土産が豊富でした。またバターやクリームといった乳製品も特産で、それらと近海でとれる海産物をつかったパスタは絶品。同じく名産のシードル(リンゴ酒)と一緒に味わえば、爽やかなリンゴの風味が濃厚さを中和し、ひとくち目の感動から最後までノルマンディーを味覚で堪能できました。そして日が暮れてライトアップされたモン・サン・ミッシェルは、今回の旅の疲れを吹き飛ばすほどの美しさでした。 写真E 「ノルマンディーは北部だけに寒かった」 今回の旅でわたしは多くの人に出会いました。私と同じ期間でカン大学に留学している日本人からは、積極的になる勇気をもらいました。カン出身の友人とそのご家族からに夕食をごちそうになり、フランスのことわざやフランス人でも発音しにくいフランス語や文字数が多い単語を教わりました。そして電車内や行く先々で出会ったフランス人。この人たちのおかげで私は目いっぱいフランス語を話し、聞き、そして何より今まで以上にフランス語が好きになりました。留学生活では、なかなか伸びない自分の語学力に対する虚無感や焦燥感にとらわれそうになります。しかし、これからはそんな気持ちになったら町や地方に出て、フランスから頑張る力をもらいに行こうと思います。