ハーガヘリア応用科学大学~フィンランド

外国語学部3年次生 上野 未祐 つい先日、最低気温が1度を切り、体感温度がマイナスになった日がありました。既にコートやマフラーが必要になり、10月にして徐々に冬が近づいて来ているように思います。そんなフィンランドにて、ハーガヘリア応用科学大学に留学している上野未祐です。 記事の第1回目は大学について書こうと思います。まず、私が通うハーガヘリア応用科学大学では、OGUとは授業の切り替わりのタイミングが違います。1年を2つのセメスターに分けているところは変わりないのですが、間にIntensive Week(約一週間のお休みのようなもの)を挟み、各セメスターが更に2つのピリオドに分かれています。ピリオドごとに授業が終了し、別の授業を受ける形になるので、1つの授業を受ける期間が短いです。 Pasila.jpgPasila2.jpg Pasila3.jpg 主に授業を受けているパシラキャンパス(Pasila Campus) Malmi.jpgMalmi2.jpg 授業のために週に何度か行くマルミキャンパス(Malmi Campus) 現在受講している授業は、英語の授業を2つと、フィンランド語、ドイツ語だけです。そして10月の中旬にIntensive Weekを挟み、次のピリオドではビジネス関連の授業を受講する予定です。どの授業も少人数で大体10人から多くて30人くらいです。大教室で行われる何百人規模の授業はありません。どのクラスも実に多国籍で、ヨーロッパの学生も多いです。そのため、3カ国語、4カ国語、はたまたそれ以上言語が話せると言われても全く驚かなくなりました。 今は少し慣れてきたのですが、授業の進み方が日本にいた時とはかなり違います。先生は学生の理解度を確認しながら授業を進めてくれますが、日本にいた時の何倍も早いスピードで進みます。そして学生側もどんどん質問をします。更に、予習復習の必要性をとても感じるようになりました。こちらの学生は、一度の授業で1習うと次の授業では2ぐらいまで進んでいます。そして先生もそれを理解していて、それに合わせて進んでいきます。復習をしてその日に習ったことを整理して、確実に自分のものにすることはもちろん、そこで見つけた新たな疑問などを次の授業で先生に質問します。「勉強は、誰かから与えられるのをただ待つのではなく、自分でするものだ」という事を皆が理解しているように感じます。授業の本来の形だと思いますが、初めはそのスタイルについていけず、知らない間に授業を何回か休んでいたのではないかと錯覚したほどです。更に、私の友人はパソコンを使って自分専用の間違えやすいポイントをまとめたものを作っていたり、先生が言ったことをわかりやすく図を用いてまとめたものを持参したりしています。皆それぞれ自分に合った勉強方法をきちんと見つけているのだと気づきました。 授業の内容も、ディスカッション、グループワーク、ロールプレイ、プレゼンテーションなど実践的なものが多いです。先生の思いつきで突然ディスカッションに入ることもあるので気を抜けません。しかし、様々なバックグラウンドを持った学生達が一つのクラスにいることで、そこから得えられるものが非常に多いと日々感じています。もちろん自分の語学力の無さを痛感して落ち込むことは日常茶飯事ですが、たとえ先生の顔に?マークが浮かんでいても諦めずに伝える努力をしています。授業中にもお互いに指摘し合って、色々と学ぶことが出来るので、とても素敵な環境です。授業中に先生が様々な話題を提供してくれるのですが、あの国ではどうなっているのか、どんな考え方をしているのかと知りたくなった時、本もインターネットも使わずに本場の意見をその場で聞くことができ、意見交換も可能です。とても贅沢なことだと感じています。 このとても贅沢な環境ですが、どの授業でも日本人は私一人なので、何か日本のことを振られた時に誰も助けてくれません。日本ついて知っていなければいけない、そして尚且つ発言しなければいけないのでビクビクしています。しかし、話さなければいけない状況を作ってもらえることで意見を述べる練習になりますし、私も詳しく知らないことを聞かれた時は調べるきっかけにもなるのでとても良いと思っています。 彼らは暇な時間がないぐらい本当によく遊びますが、それ以上によく学び、自国のことも他国のことも良く知っているので、負けないように頑張りたいです。クラブでお酒を飲みながら踊り明かす彼らと朝早くから図書館で課題をこなす彼らが同一人物だとは未だに信じがたいです。 様々な国籍のクラスメイトや友人たち接する中で、日本から出てみなければ絶対に知ることの出来なかった、海外から見た日本について少し知ることが出来ました。もちろんすでに日本に詳しい人もいますが、日本について知っていることを尋ねると、多くの人は東京や寿司という程度でした。しかし、先生から自国の会社で世界でも有名な会社とそのトップについてのディスカッションの指示が出た時、日本についてはそこまで詳しくないと言っていた彼らが日本の会社はとても有名だと、いくつか例を挙げてくれたので驚きました。会社などビジネスの面においては多少認知度が高いようでしたが、本来の日本らしさである文化などは、ヨーロッパでは十分に伝わっていないように感じられたので、こちらにいる間に少しでも多く伝えていけたらと思っています。 ただ、別の日に自国のハンドメイド製品についてグループディスカッションをしたときに、日本には有名なナイフがあると言われました。それが何と侍が持つ刀のことでした。日本に侍がまだ存在していると真剣に信じているクラスメイトがいたり、フランス人の友人もなぜか布団を知っていたり、驚くことばかりです。日本人として、外国人が日本について知っているだろうと思うことと、実際に彼らが知っていることは全く違うことを学ぶことが出来ました。 そして、ここ最近はフィンランド語の授業のおかげで、スーパーの商品名を少しずつ理解出来るようになりました。また、フィンランド人の会話の内容が一瞬わかった時に小さな喜びを感じています。 こうして、私の留学生活は続きます!次回をお楽しみに。