カナダ フレーザーバレー大学での支援活動
こんにちは。私はカナダのフレーザーバレー大学に留学している国際学部の齋藤です。
今回は、3月11日に東北と関東で起きた大地震を通して学んだことを書こうと思います。地震が起こったのは、カナダでは丁度3月10日の夕方でした。最初は外出中に先輩から電話があり、日本で大きな地震があったと聞いたので、すぐに家に帰りパソコンでニュースを見ました。私がニュースを見たときは、もうすでに宮城県、岩手県の街が津波で壊滅している映像が映し出されていました。ここにいる日本人全員がその映像にショックを受け、自分たちの国がこんな状況なのになぜ自分たちはここカナダにいるのだろうという疑問と、すぐに何もしてあげることができないという無力さを痛感しました。でも翌日には、このフレーザーバレー大学に通う日本人全員が大学内で日本のために募金活動をしようという考えで一致団結しました。活動をするためには大学の許可が必要でしたが、大学もすぐに私たちの考えを受け入れてくれました。募金活動を始めてすぐ、大学に通う海外からの留学生や職員たちが募金活動ブースに足を止め、募金をしてくれました。迷いなく募金してくれる方、少し恥ずかしそうに募金してくれる方、説明するまで何が起こったかは知らなかったけれど私たちの活動を見て募金してくれる方、皆さんの日本を助けたいという善意が伝わってきて、私たちは本当に感動しました。またFacebookには、日本や私たちの家族を心配してくれた海外の人たちからのたくさんのメッセージが届き、胸が詰まるような思いと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
さらに私たちは大学でJapanese Activityという活動を週1回行っているのですが、その活動で日本のカレーを作って2ドルで売るという工夫もしました。その時も10ドル札を出しておつりはいらないといってくれる方や何も言わずに100ドル札を置いていく方もいました。もし自分が逆の立場だったら、果たしてこんなことが本当に出来ただろうかと考えると、日本にいた時の自分が情けなくなりました。私たちはこうした活動を3週間続け、3月31日には今までで一番大きいイベントとして日本食を10ドルで売るディナーイベントを開催しました。このイベントで販売した食べ物は、私たちが住むアボッツフォードという街の日本食レストランなどにお願いをして寄付してもらいました。イベント前日には、なんと現地の学生数名がイベントを手伝いたいと申し出てくれました。当日はレストランのスタッフや学生が手伝ってくれ、多くの人々が参加してくれたおかげでイベントは大成功に終わりました。
私たちは、募金活動開始からこのイベント終了時までに7,000ドル以上(日本円で約70万円)を集めることができました。このお金は全てカナダの赤十字に送り、今後の日本の復興ために使われるはずです。私たちが集めたお金は、日本のみならず世界各国から集まった募金金額全体から見ると微々たるものかもしれませんが、きっとこれが被災者の方々の助けになると信じています。
最後に、私はこの文章を読んだ人たちが、海外の人々が日本と日本人に向けてくれた親切心を少しでも知ってもらえたら嬉しいなと思います。
本人右から2人目
先日も台湾の静宜大学とタイのバンコク大学での支援活動をご紹介しましたが、カナダの大学でもこのように日本人留学生が率先して支援活動を行っています。齋藤君のレポートから海外の日本人学生たちが自分の国ためにと一生懸命活動する姿、それに賛同して協力してくださる方々の姿を垣間見ることができると思います。たとえ小さな取り組みであっても、今、私たちにも日本で「私たちができること」をすることを求められていると感じました。

