アメリカ~アラスカ大学フェアバンクス校(織田 晄榮)

経営学部3年次生 織田 晄榮 こんにちは、UAFに留学している織田晄榮です。此処に来てそろそろ2ヶ月半が経ちます。なので、現地で感じた文化の違いや大学での勉強システムについて紹介していきたいと思います。 まず、私が感じた一番大きな文化の違いは「多様性」です。まず、その多様性の原因として最も強く感じられたのは、人種の種類の多さです。日本人が日本にいるとき、周りに一番多くいるのが日本人なので、常識や慣習と言った共通観念が通用します。しかし、アメリカは元から移民国家なので、その時点で「多様性」が生じています。同じ場所で生まれた人でも、その背景は全く違うものだったりします。 そのためアメリカでの常識は最低限のもの(寮の部屋の中で裸にならないとか、ゴミはゴミ箱がない限りその辺に捨てるとか)に限定されます。普通に朝の9時に起きて夜の11時や12時に寝る人もいれば、朝の2時や3時から起きて勉強し、午後の5時あたりに寝る人もいます。更には4時間ほどしか寝ず、コーヒーやエナジードリンクで自分の体に鞭打って起きている人もいます。私も初めはこういった人の生活スタイルの違いに戸惑いました。 アメリカで生活していて、とても良いことを一つ、友達から学びました。それは"無視する力"です。これはどういうことかといいますと、他の人が何かしていてもそれを気にせず、自分のことに集中する能力のことです。例えば、自分がカフェで勉強していて、突然隣から叫び声が聞こえても、できるだけ無視するか、そこに混ざるかの二者択一です。しかし、彼らに混ざると宿題や予習する時間が大幅に削られるため、ほとんどの場合は無視することが求められます。 多様性に話を戻しますが、この多様性のために、文化自体が多様化せざる負えなくなり、元々の民族性をキープすることが難しくなったのではないかと思います。これについては、現地の中国人たちを観察することでわかります。アラスカにやって来た1世は、どちらかと言えば伝統的な中国料理を好み、旧正月を祝い、友人と餃子を包むなど、中国人の伝統を守っていますが、2世からだんだんと中国語が怪しくなり、中国文化も少しずつ淡くなり、アメリカ人やアメリカの文化をより強く染まっています。これが3世、4世になると、自分たちが中国人のルーツを持つことが意識の中になくなり、そもそも中国文化を知らない人もいます。行動や考え方は完全にアメリカ人だけれど、外見は中国系のままであることが多いです。ちなみにこれは中国人に限らず、アメリカに移民した人々に多く見られる傾向です。自分たちの民族的アイデンティティや家庭的な特色を維持することがとても難しい環境なので、同化が徐々に進む中、自分のアイデンティティを持ちながら、アメリカの多様化された文化も受け入れ、その両方を時と場合により切り替えることができるようになれば、より広い視野を持つことができるのではないかと考えている。 Marc transformer 同じゴミ拾いでもトランフォーマーがいる   次に大学での勉強システムです。日本の大学とアメリカの大学の勉強方法は大きく違います。一つは予習復習、そして宿題です。アメリカでは予習と復習を宿題に組み込んでいる教科もあります。なぜかというと、アメリカでは学生が予習をしていることを前提に授業をします。教授は最低限のことしか授業では話さず、後は自分で勉強してくれ、というスタンスです。そのため、自主的に予習と復習をしなければ、神童でもない限り、好成績は望めません。さらにアメリカと日本との最も大きな差は"学習は自分でするものである"という考え方です。アメリカでは、学生が授業で何かを学ぶことを期待するのではなく、授業外に自分で学ぶことに重きをおいているように感じます。例えばスペイン語の授業では、授業以外の時間でも学生の多くはチューター(授業でわからなかったところを教えてくれる授業の補助をしてくれる人)のところに行き、授業でわからなかったところだけではなく、予習や復習なども行い、更には言語の練習もするようです。私は今でもこのような学習形態には戸惑っていて、予習と復習、そして大量の宿題のため身動きがとれない状態が続いています。授業自体のレベルはそこまで高いわけではないのですが、やるべき課題が多すぎるところに問題があります。 Marc friend 同じスペイン語を受けている友達。彼女は見ての通り軍属で、士官育成プログラムを受けながら勉強しています。 今日はこんなところですかね。ではまた!