日本の伝統文化に触れる~京都友禅染め

 10月14日、留学生たちの学外研修「友禅染め体験」が行われました。場所は、京都は二条城にほど近いところにある京町家再生施設「繭」の中にある「丸益西村屋」さんです。ここでは、日本を代表する染め物である友禅染めの技法の一つ「型紙染め」を体験させてもらえます。大阪学院大学の留学生たちは、もうたぶん10年以上連続でこちらにお世話になっていますが、日本の伝統的な工芸を体験できるうえ、素敵なお土産を持って帰れるこの学外研修は、毎年好評です。今年は70人を越える大人数で参加してきました。ふだん学校で接することの少ない他のクラスの学生たちと、クラスの垣根を越えていっしょに活動できるのも、このような行事の良いところです。  型紙染めというのは、図柄の形に穴の切り抜かれた型紙の上から、刷毛で染料をすり込むことによって、布を染めていく方法です。一つの図柄につき3枚~5枚程度の型紙を使い、型紙ごとに違った色の染料をすり込んで行くと、色鮮やかな図柄が浮かび上がって来ます。学生たちは、草花や魚、星など、思い思いの図柄を選び、ハンカチや扇子、Tシャツ、巾着などを作りました。中には小さな図柄をいくつか組み合わせて、オリジナルのデザインを作る学生もいました。  染める方法は、お店の人が親切に教えてくれますが、もちろん日本語です。学生たちは、日本語の指示を聞いて理解し、その通りにやらなければならないのです。日本語の勉強を始めて日の浅い学生にはちょっと大変だったかもしれません。でも、それぞれのクラスで、あらかじめいろいろな語彙や表現を教わっていたおかげで、みんなうまく行ったようです。日本の伝統文化を体験できるだけでなく、日本語の実践的な練習にもなる、一石二鳥の研修というわけです。  午後の授業に出席できるように帰らなければならないため、京都に滞在できたのはお昼までのわずかな時間ではありましたが、日本の伝統文化の一端にじかに触れることは、留学生たちにとって貴重な経験となったことでしょう。 増田良介(国際交流プログラム 日本語専任教員) 体験1 Tina_small.jpg トリア大学(ドイツ)Christina Muller ジエ_small スンチョンヒャン大学(韓国)キム・ジエ ジリ_small プラハメトロポリタン大学(チェコ共和国)Jiri Kuncipal バーバラ_small クーフシュタインチロル大学(オーストリア)Barbara Grabner