生涯学習吹田市民大学 大阪学院大学講座(第12回)開催報告について
吹田市教育委員会と本学エクステンションセンターの共催で、生涯学習吹田市民大学 大阪学院大学講座を開催しました。
今年で12回目となる今回のテーマは「世界と日本の歴史と文化」、吹田市民を中心に78名の方にご参加いただきました。
①牧野伸顕『松濤閑談』を読む―文展創設・パリ講和会議全権・吉田茂岳父―(講師:国際学部 根無 喜一 教授)〔2022年2月12日(土)〕
明治日本の近代化に貢献した牧野伸顕(大久保利通の次男)について、現在の国立国会図書館の前身にあたる帝国図書館の設置や日展につながる文展創設、義務教育制度の延長、パリ講和会議全権等、視野の広さと学問的な寛容さを持ち、その時代を維持し守った人物として解説されました。
②海洋からみた第一次世界大戦とイギリス(講師:商学部 山口 悟 教授)〔2022年2月19日(土)〕
イギリスは二度の世界大戦に参戦。グレート・ウォー(the Great War)と称されるほど、第二次世界大戦よりさらに被害の大きかった第一次世界大戦において、イギリスがどのように考え、どのような経験をし、どのように危機を乗り切ったのか、海洋支配の視点から解説されました。
③日英同盟前後の東アジア情勢を考える(講師:国際学部 尾﨑 庸介 准教授)〔2022年3月5日(土)〕
今から120年前に締結された日英同盟、世界一の経済力と軍事力を持っていたイギリスが、何故日本との同盟締結に至ったのか、日英同盟前後の東アジア情勢がどのようなものであったのか、また、近年、同じ海洋国家で志を同じくする日本とイギリスが政治的結び付きを強めており、新たな日英関係がどのような意味を持つのか国際政治について解説されました。
④セルゲイ・ウィッテと日本(講師:国際学部 広野 好彦 教授)〔2022年3月12日(土)〕
鉄道運輸業出身のセルゲイ・ウィッテは、ロシア皇帝アレクサンドル3世時代に大蔵省の要職に抜擢され、その後も財政・経済面はもとよりとくに極東政策に強い影響力を行使。蔵相を辞任に追われながらも、ポーツマス講和会議では主席全権を務め講和を成立。日本とロシアの関わりの中で重要人物であったウィッテについて、極東からどう見えるか解説されました。