NEWS

2023年度第1回FD・SD講演会 開催報告

 2023年度第1回FD・SD講演会を「AIの進化と大学の教育・研究―大学におけるChatGPTの利用について―」と題してZoomにより開催しました。
 「ChatGPT」等に代表される高度な生成AIの利用者が急増し、ビジネスや日常生活において様々な場面で利用されています。大学では学生のレポートや論文執筆などをはじめとする教育活動における活用の可能性やリスクなど正負両面の影響も指摘されています。2023年7月13日には、文部科学省から、「大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについて」において、生成AIに関して利活用が想定される場面例や留意すべき観点等についてのまとめが周知されました。そこでは、大学等に対し、教育の実態に応じて学生や教職員に向けて適切に指針等を示すなどの対応を行うことが望ましく、技術の進展などに応じ、対応を適宜見直していくことが重要であるとされています。
 このような中、生成AIの知識・知見を深め、本学におけるデータサイエンス教育の展開・推進や、実践的な対応を考えることを目的として2部構成でお話を伺いました〔2023年7月27日(木)〕。

第1部
山本 章博教授
(京都大学 情報学研究科教授国際高等教育院附属データ科学イノベーション教育研究センター長)
京都大学 山本教授
【京都大学 山本教授】

 情報科学基礎、人工知能、機械学習や知識発見を研究分野とする山本教授をお招きし、お話を伺いました。データサイエンスを活用できる人材育成のため、日本ではデータサイエンス教育が急務とされていること、国が推進する「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム」において京都大学が拠点校の1つとして活動していること、京都大学における全学的なデータサイエンス教育の普及・展開についてお聞きしました。最後に、データ駆動型AIと生成AIについて、最新の研究を交えたお話がありました。

山本教授の講演資料より
山本教授の講演資料より
山本教授の講演資料より
第2部
上原 邦昭教授(経営学部)

 人工知能を研究分野とする経営学部上原教授からは生成AIの技術的解説をお聞きしました。確率的言語モデル、ニューラル言語モデルの仕組み、言語モデルと「ChatGPT」の違い、プロンプト・エンジニアリングについての解説に加え、最新情報として様々な生成AIやCode Interpreterの紹介がありました。まとめとして、今後本学が生成AIに対し、どのようにふるまえば良いかについて、言語教育、コミュニケーション教育の必要性、生成AIが普及しても必要なこと(「科学の知恵」から「心の智慧」へ、リベラルアーツ教育の重要性)、生成AIの仕組みではなく「使い方」を学ぶ必要性についてのお話がありました。

第2部
藤田 靖准教授(経営学部)

 情報システムを研究分野とする経営学部藤田准教授からは「ChatGPT」の具体的な使用方法について伺いました。「ChatGPT」が得意なこと、不得意なこと、使用上の注意点、プロンプト(指示)の出し方、具体的な使用事例などについて説明があり、「学生には、利用のルールを守りながら、積極的にChatGPTを使うことを勧めたい」との見解が示されました。

経営学部 上原教授
【経営学部 上原教授】
上原教授の講演資料より
上原教授の講演資料より
経営学部 藤田准教授
【経営学部 藤田准教授】

本学では今後も、急速に進展する生成AIに関する情報収集に努め、適切な利活用の方法について検討を続けて参ります。

Page Top